新次郎さんの死因と病名
新次郎さんがついに亡くなってしまった・・・・
この半年間見続けてきた「あさが来た」。
前作「まれ」の「夢なんか持つんじゃねえ!」という主張とは正反対のベクトルを持つドラマでしたが、
主人公のあさがあったのはやはりこの新次郎さんがあったからこそでした。
夢に向かって猪突猛進するあさを陰日向から支えてきた新次郎さん。
この人のいいところは、実利一辺倒の方向に進むあさとは対照的に芸事、芸術方面の才能があったこと。
その両極の感性がお互いを車輪の両輪のように支えあって、そうして前へと進んで行けたのでしょう。
だからこの片輪が病に倒れた時、あさはビジネスから引退したのでしょう。
このドラマ、最初は幼女と大人の男というちょっとやばい関係からのスタートでしたが、
主演の二人のすばらしい演技と色気で見事な夫婦を描ききりましたね。
新次郎さんの死因
最後は突然意識を失い倒れましたが、ちょっと前からだんだん弱っていく様子が描かれていました。
いったい病名は、死因は何だったのでしょう。
作中では医者にかかった新次郎は胃の薬を処方されています。
それ故におそらくは胃の病気、胃がんだったのでは?と推測できます。
食事が細くなった、味覚が変わった、などは胃がんの症状です。
実際には新次郎さんのモデルとなった信五郎さんは死因は咽頭癌でした。
咽頭癌にも様々な種類があるのですが、ドラマ的にはちょっと描写するには難しいものがあります。
それゆえに胃がんへと変更したのではないかと思われます。
しかし、今日の回は悲しくも美しい回でしたね。
ちょっと驚いたのは新次郎さんが亡くなったことをあさが「さびしい」と言葉に出して表現したことです。
あまりこういう直接的な表現てしないですよね。
その御蔭であさのさびしさがどうしようもなく耐えられないほどのものであることがこちらに伝わってきました。
そして、その後の雨。
素晴らしい演出でした。
あさの極限的な寂しさを包み込むような雨。
それによって彼女の寂しさや悲しさは浄化され立ち直っていけるだろうと思わせるものでした。
そして新次郎さんが常にそばにいるのだという思いも持つことができました。
これで最終回を迎えることができます。
しかし、こうなるとあのガタガタ騒がしかった成澤先生の言葉が生きてきますね。
魂は死なないんだ。
この言葉がどれだけ新次郎さんを救ったことか。
成澤先生は史実ではあさよりかなり若かったにもかかわらず、あさが亡くなった年に後を追うように亡くなっています。
この人達は確かに何かの絆が在ったのでしょうね。