天陽くんの幽霊
天陽くんが亡くなった。このことに関してはとやかく言うことはなし。
ただ、ちょっと一言書きたかったのは。
奥さんの靖枝さんがあれだけ天陽くんのこと思ってて、その思いが切なくて
彼が亡くなった大地に伏せていると、じいちゃんが来て、「天陽にあいにきた。天陽はここにおる」
という名場面があったでしょ。
一方、なつはアトリエで天陽くんの幽霊と会話をするのだけれど、
天陽は畑に、奥さんとともにいるわけですよ。
なつの前にいるのはなつが生み出した幻、だから握手はできない。
あれは見ようによっては、なつが誰かに背中を押してもらいたくて天陽くんを利用しているように見える。
そこにはいない都合のいい天陽くんをつくりだして。
もともと天陽となつは対比した存在だったわけで、それが今度は奥さんに受け継がれる。
どうも今後の展開はなつがそうした天陽的な世界を自分の世界と融合しようとするように思えるんだけど
彼女にそれができるのか、
子供ができても喜ぶことなく自分の仕事の心配をしていた人物に天陽くんが生きてきた世界を理解し表現できるのか。
いままでの脚本と演出のツケが回ってきてしまうのではないかと
去年の「半分、青い」もそうなんだけど、演じてる役者さんのイメージまで損ねてしまうような脚本は何とかしないと、「まれ」と「べっぴんさん」とか「わろてんか」とかもおなじ。
若い女優さんの足を引っ張るようなことはやめてあげて、NHK。